この章の使い方
機能ではなく「症状」から引いてください。
Erya の反応はほぼすべて最終行に出ます。うまくいかないときにまずすべきことは、その行を最後まで読むことです。たいてい原因が書いてあり、押すべきキーまで書いてあることも少なくありません。
- 最終行を読む。黄は報告、白は入力待ち、赤は判断待ちです(1.3.6 参照)。
- 2 行目を読む。いま使えるキーが並んでいます。見慣れないキーなら、別の画面にいるか別のプロファイルです。
- Esc を押す。どこにいるか分からないとき、必ず 1 階層戻り、何も壊しません。
- F1 を押す。機能のキーを探すなら、この一覧が目次です。
| 症状 | 参照 |
|---|---|
| 起動できない | 4.3.2 |
| ファイルが開けない/様子がおかしい | 4.3.3 |
| 保存できない | 4.3.4 |
| キーが効かない | 4.3.5 |
| 画面が崩れる・そろわない・色がおかしい | 4.3.6 |
| 文字化けする | 4.3.7 |
| 機能が丸ごと見当たらない | 4.3.8 |
起動できない
Erya の画面が出る前の問題です。
| 表示 | 対処 |
|---|---|
| command not found: erya | PATH にありません。まずフルパスで試し、動くなら PATH の問題です(1.2.3)。 |
| Permission denied | chmod +x erya。 |
| macOS が開発元を検証できない | 隔離属性:xattr -d com.apple.quarantine erya(1.2.3)。 |
| cannot execute binary file | アーキテクチャ違いです。uname -m で確認(1.2.2)。 |
| 対話型ターミナルで実行してください | パイプやリダイレクトは不可。直接実行します(1.2.8)。 |
| ターミナルが小さすぎます | 最低 24×6、実用上は 80×24(1.2.8)。 |
| 未対応のオプション:… | 綴り違いか、ハイフン始まりのファイル名。-- を前に置きます(1.2.6)。 |
| … はディレクトリであり… | ファイルを渡すか、起動後に Ctrl+O(1.2.5)。 |
ファイルが開けない
あるいは、思っていたのと違う形で開く場合です。
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| 「開けませんでした:Permission denied」 | 読み取り権限がありません。ls -l で確認し、必要なら sudo。 |
| 中身が空で開く | ファイルが存在しません。Erya は未知のパスを新規ファイルとして扱い、最初の保存で作ります(1.2.5)。パスの打ち間違いを確認してください。 |
| 16 進数表示で開く | NUL バイトを含むためバイナリ扱い(3.3.5)、または非 UTF-8 の大きなファイルです(3.2.1)。 |
| 「detected unsupported text encoding: UTF-16LE」 | UTF-16・UTF-32 は非対応です。先に UTF-8 へ変換してください(3.1.1)。 |
| ステータス行が「大容量ファイル・読み取り専用」 | 64 MiB 以上で、読めますが編集できません(3.2)。 |
| 「報告.txt はすでにタブで開いています」 | エラーではありません。二重に開かず既存のタブへ切り替えました(2.1.1)。 |
| 先頭の数行しか見えない | スクロールしてください。大きなファイルは必要になってから読みます(3.2.3)。 |
保存できない
失敗の代償がいちばん大きい場面なので、Erya は厳しめです。
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| 「保存に失敗しました:Permission denied」 | ファイルまたはディレクトリに書き込み権限がありません。アトミック保存はそこに一時ファイルを作ります(2.1.6)。 |
| 「保存に失敗しました:No such file or directory」 | パス途中のディレクトリがありません。Erya は作りません(2.1.9)。 |
| 「文書をディレクトリとして保存できません」 | 保存先にディレクトリを指定しています。ファイル名を足してください(2.1.5)。 |
| 「大容量ファイルは読み取り専用モードのため編集できません」 | このモードに保存はありません(3.2.2)。 |
| 「このバイナリファイルは読み取り専用のため変更できません」 | 64 MiB 以上のバイナリはストリーム読みの読み取り専用です(3.3.8)。 |
| 赤い行が外部変更について尋ねる | 他のプログラムがファイルを変更しました。迷ったら N、次に F12 で控えを(2.1.7)。 |
| 「Big5 に切り替えられません:…」 | その文字コードで表現できない文字があり、壊すより拒否する設計です(3.1.3)。 |
キーが効かない
可能性は 4 つ。ありがちな順に。
- その操作に既定のキーがない。定型文、マクロ、矩形の埋め・移動、段落の再整形、「カーソル位置の表示」は既定プロファイルで未割り当てです(2.4.8、2.2.6)。F1 でキー欄が空欄かどうか見てください。
- 編集画面にいない。画面ごとに使えるキーが違います。2 行目を確認してください(1.3.3)。
- そのモードで禁止されている。大容量ファイル読み取り専用は編集系を止め(3.2.2)、テキストファイルの 16 進数表示は読み取り専用です(3.3.1)。メッセージ行に理由が出ます。
- ターミナルが送っていない。Alt 組み合わせと修飾付き矢印でよく起きます(4.1.1)。押せるキーに割り当て直してください(4.1.4)。
試したいキーを、効果が見える操作に割り当てます。cursor_position はカーソル位置をメッセージ行に出します。押して反応があれば、そのターミナルはその組み合わせを送れています。
画面の表示がおかしい
たいていは Erya ではなくターミナル側の問題です。
| 症状 | 原因と対処 |
|---|---|
| 日本語がそろわない/カーソルがずれる | 等幅でないフォント、または全角の扱いが一致していません。CJK 等幅フォント(Sarasa、Noto Sans Mono CJK など)にしてください。 |
| 罫線が変な記号になる | ターミナルかフォントが対応していません。フォントを変えるか、対応の良いターミナルを使ってください。 |
| 色が見づらい | Erya はターミナルの 16 色を使い、実際の色合いはテーマ次第です。テーマを調整してください。 |
| 黄色い 1 行だけになる | ウィンドウが 24×6 未満です。広げれば戻ります(1.2.8)。 |
| 描画のゴミが残る | SSH が不安定、または再描画の問題です。ウィンドウサイズを変えると全体を描き直します。 |
| 長い行が切れている | Ctrl+L で折り返すか、End で横スクロールします(2.2.9)。 |
| 終了後にターミナルが変になる | 通常は Erya が状態を復元します。異常時は reset を実行してください。 |
文字化けする
まず「文字コード違い」か「フォントに字が無い」かを切り分けます。
全体が読めない
文字コードの判定が外れています。F7 で正しく読めるものを探し、保存してください(3.1.2)。ステータス行の後ろから 2 番目に現在の想定が出ています。
一部が □ や ? になる
ターミナルのフォントに字が無いだけです。ファイル自体は無事で、フォントを変えれば出ます。絵文字や珍しい漢字でよく起きます。
文字コード違いによる化けは、保存するとファイルに固定されます。F7 で正しい文字コードを見つけ、本文を確かめてから保存してください。分からなければ保存せずタブを閉じます。ディスク上のファイルは無事です。
機能が丸ごと見当たらない
メニューが無いので、「見つからない」はたいてい「未割り当て」か「ここでは非対応」です。
| 探しているもの | 実際のところ |
|---|---|
| すべて選択 | ありません。Ctrl+Home のあと Ctrl+Shift+End を(2.2.4)。 |
| 確認しながら置換 | そのモードはありません。F3 と F5 で代用します(2.3.4)。 |
| 選択範囲内だけ置換 | 対応していません(2.3.7)。 |
| 正規表現検索 | 対応していません。完全一致です(2.3.1)。 |
| 画面分割 | ありません。2 ファイルを見比べるには比較機能を(3.4)。 |
| 自動保存・クラッシュ復元 | どちらもありません。Ctrl+S だけです(1.1.7)。 |
| 定型文・マクロ・矩形の塗りつぶし | 機能はありますが既定のキーがありません(2.4.8)。 |
| システムのクリップボード連携 | Erya のクリップボードは内部用です。ターミナルのコピー&ペーストを(2.2.7)。 |
| Git 連携、プラグイン | ありませんし、対象範囲にも入っていません(1.1.2)。 |
それでも解決しないとき
報告に次の情報を添えると、解決がぐっと早くなります。
- バージョン:erya --version の出力。
- 環境:OS とバージョン、uname -m のアーキテクチャ、使っているターミナル。
- キープロファイル:F2 に出ている名前、または自分の keymap.toml。
- メッセージ行の文言:一字一句そのまま。いちばん有力な手がかりです。
- 再現手順:erya ファイル名 から、押したキーを順に。
- ファイルの特徴:サイズ、文字コード、改行コード。すべてステータス行に出ています。
報告の前に ERYA_KEYMAP= erya で起動するか、F2 で Erya Terminal Safe に戻して再現するか確かめてください。消えるならキーバインドの問題で、範囲が一気に狭まります。