第 1 部・Erya を知る / 1.3

画面と操作の約束事

Erya の画面は常に「上に 2 行、下に 2 行、その間が本文」です。この 4 行を読めるようになれば、どの画面にいても自分の居場所と次に押すキーが分かります。

所要時間 約 12 分 対象 すべての利用者 前提知識 1.2 バージョン v1.0 ・ 2026-08-26
1.3.1

画面を囲む 4 行

上に 2 行、下に 2 行。残りはすべて文書です。

編集・ファイルを開く・比較・16 進数・設定——どの画面でも構成は同じで、4 行の枠と、その内側の内容領域です。この 4 行を読めるようになれば迷いません。

爾雅 Erya │ [報告.txt] 付録.md 1 行目 タブ/画面名 濃紺地に白 F1 ヘルプ Ctrl+S 保存 Ctrl+W 検索 … 2 行目 ヒント行:いま押せるキー 青地に黒 第一章 プロジェクトの背景   本プロジェクトは二〇二六年三月に…… ~ ~ 内容領域 文書・一覧・比較内容 高さ=ウィンドウ高 − 4 報告.txt │ 5:24 │ 挿入 │ UTF-8 │ LF 下から 2 行目 ステータス行:いまの状態 青地に黒 報告.txt を保存しました 最終行 メッセージ行:直前の結果
図 1.3.1 4 行の枠。内容領域の高さはウィンドウの高さから 4 を引いた値なので、ウィンドウを高くすれば表示行数が増えます。
上 2 行と下 2 行、という配置には理由があります

上 2 行は「いまどこにいて、何が押せるか」、下 2 行は「いまどんな状態で、直前に何が起きたか」に答えます。詰まったら、まず 2 行目で目当てのキーを探し、次に最終行が何か言っていないか確かめてください。

1.3.2

1 行目:タブとタイトル

編集中はタブ、それ以外の画面では画面名です。

爾雅 Erya │ [報告.txt*] 付録.md nginx.conf
(編集画面:3 つのタブを開き、1 つ目が選択中で未保存)
  • 選択中のタブは角括弧で囲まれます:[報告.txt]。
  • アスタリスクは未保存の印:[報告.txt*]。保存すると消えます。
  • タブに出るのはファイル名だけでパスは含みません。新規文書は [無題] と表示されます。
  • タブが入りきらないときは左端に ‹ が出ます。選択中のタブは必ず見えます。

他の画面では、この行が画面名に変わります。付加情報が付くものもあります:

画面1 行目の表示
編集 爾雅 Erya │ [報告.txt] 付録.md
ファイルを開く(Ctrl+O) 爾雅 Erya │ ファイルを開く │ /home/leo/docs(現在のディレクトリ)
比較ファイルの選択(F4) 爾雅 Erya │ 左ファイルを選択 │ /home/leo
比較 爾雅 Erya │ ファイル比較
キー操作ヘルプ(F1) 爾雅 Erya │ キー操作ヘルプ
システム設定(F2) 爾雅 Erya │ システム設定
キーマップエディター 爾雅 Erya │ キーマップエディター │ Erya Terminal Safe
1 行目がタブでなければ、編集画面ではありません

現在地を知るいちばん速い方法です。戻るにはたいてい Esc で済みます(1.3.7 参照)。

1.3.3

2 行目:ヒント行

いま押せるキーが並び、キープロファイルに追随します。

編集中は、よく使う 7 つの操作が常に並びます:

F1 ヘルプ Ctrl+S 保存 Ctrl+W 検索 Ctrl+R 置換 Ctrl+B 矩形選択 Ctrl+K 行切取 Ctrl+X 終了
ここに出るのは「あなたの」キーです

変わらない F1 を除き、すべて現在のキープロファイルから取っています。nano プロファイルに切り替えれば nano のキーになります。つまり手引きと画面が食い違ったら、画面が正しいということです(4.1 参照)。

他の画面では、この行がその画面の操作説明に丸ごと入れ替わります。Erya にメニューが無くても迷わないのはこのためです:

画面ヒント行
ファイルを開く↑/↓ 選択 Enter/→ 開く ←/Backspace 親へ Esc/Q キャンセル
1 行入力 Enter 確定 Esc 取消 ←/→ カーソル移動 Backspace/Delete 削除
置換の入力 Enter/F5 次を置換 F6 すべて置換 Esc 取消
16 進数表示W 1 行 16/32 O オフセット 10/16 Ctrl+G/G 移動 Ctrl+P/Esc 編集に戻る
比較左右のファイル名が半分ずつ(3.4.2 参照)
キー操作ヘルプ ↑/↓ スクロール PageUp/PageDown ページ Home/End 先頭/末尾 F1/Esc 戻る
システム設定 ↑/↓ 項目 ←/→ 選択 E キー編集 Enter 適用 Esc キャンセル
キーマップエディター ↑/↓ 選択 Enter 編集 Delete 無効化 S 名前を付けて保存 Esc 戻る
1.3.4

本文領域と ~ 記号

真ん中の大きな部分と、あの暗い青のチルダについて。

第一章 プロジェクトの背景   本プロジェクトは二〇二六年三月に始動しました。   既存の文書をプレーンテキストへ変換します。 ~ ~ ~
  • 暗い青の ~ は「文書はここで終わり」という印で、空行ではありません。空行は本当に何も無い行です。
  • 内容領域の高さはウィンドウの高さ − 4。広げれば増えます。
  • カーソルはターミナルが描くもので、形(ブロック・下線・縦棒)はターミナルの設定によります。
  • 選択範囲は灰地に黒、検索一致と比較の差分は黄地に黒です。
  • シンタックスハイライトはファイル名から自動的に適用されます(3.1.5 参照)。選択の灰色はその上に重なり、互いに干渉しません。
全角文字は 2 桁

Erya は端末の桁数で計算します。漢字・仮名・全角記号と多くの絵文字は2 桁、ASCII は 1 桁、タブはタブ幅に展開されます。そのため和欧混在でも桁がそろい、ステータス行の「列」はバイトではなく文字数で数えます(2.2.3 参照)。

1.3.5

下から 2 行目:ステータス行

│ で区切られた 5〜7 個のマス。どれも「いまの事実」です。

/home/leo/docs/報告.txt │ 5:24 │ 挿入 │ Markdown │ 折り返し │ UTF-8 │ LF
マス例意味
ファイル名/home/leo/docs/報告.txt開いたときのパス(名前だけではありません)。新規文書は [無題]。
行:列5:245 行目の 24 文字目。どちらも 1 から数えます。
モード挿入5 通り。下の表を参照。
シンタックスMarkdown認識できたときだけ出ます。プレーンテキストにはこのマスがありません。
折り返し折り返し有効なときだけ出ます(Ctrl+L で切り替え)。
文字コードUTF-8次の保存で使う文字コード(3.1.2 参照)。
改行LF次の保存で使う改行コード(3.1.4 参照)。

モードの 5 通り

表示意味
挿入入力すると後ろの文字が右へ押し出されます。既定はこちら。
上書き入力するとカーソル位置の文字を置き換えます(Insert で切替)。
選択通常の選択範囲があります。挿入/上書きの表示より優先されます。
矩形選択矩形の選択範囲があります(2.2.5 参照)。
大容量ファイル・読み取り専用64 MiB 以上のため編集できません(3.2 参照)。

16 進数表示と比較画面には専用の書式があり、それぞれ 3.3.2 と 3.4.2 で説明します。

1.3.6

最終行:メッセージと色

色が深刻度です。黄は報告、白は入力待ち、赤は判断待ち。

報告.txt を保存しました
検索:探したい文字列
文書は未保存です:S 保存して終了/Y 破棄/N 編集に戻る
色意味例
黄直前に何をしたかの報告保存しました、元に戻しました、一致する文字列が見つかりません
白入力を待っています検索:、名前を付けて保存:、行/列へ移動:
赤判断待ち。答えるまで先へ進みません文書は未保存です、タブは未保存です、外部ファイルが更新されています
赤が出たら、押す前に読んでください

赤い確認は 3 つだけです。終了時の未保存確認(S/Y/N)、タブを閉じるときの未保存確認(S/Y/N)、外部で変更されたファイルの保存確認(O/R/N)。どれも各文字の意味を同じ行に書いてあり、押し間違えると実際に内容を失います。とくに Y は常に「破棄」です(2.1.8 参照)。

メッセージ行は次のキー操作では消えず、新しいメッセージが来るまで残ります。読むときは、それがいまの出来事かどうかを確かめてください。

1.3.7

6 つの画面、1 つの Esc

編集以外に全画面が 6 つ。出口はどれも同じです。

画面入る出る参照
ファイルダイアログCtrl+O / F4Esc か Q2.1.2
比較F4 で 2 ファイル選択Esc3.4
16 進数表示Ctrl+PEsc か Ctrl+P3.3
キー操作ヘルプF1Esc か F11.3.8
システム設定F2Esc4.2.1
キーマップエディター設定画面で EEsc で設定へ4.1.4

ほかに、最終行だけを使う状態が 2 つあります。1 行入力(検索・置換・行移動・名前を付けて保存など)と確認(赤いもの)です。どちらも Esc で取り消せます。

Esc は常に「1 階層戻る」

編集中は選択を解除し、入力中は入力を取り消し、全画面では 1 つ前に戻ります。どこにいるか分からず、何も壊したくないときは Esc が常に安全です。唯一の例外はバイナリファイルの 16 進数表示で、戻れるテキスト編集が存在しないため、Esc は出口をもう一度伝えるだけです(3.3.5 参照)。

1.3.8

F1 キー操作ヘルプ

メニューが無い代わりに、この一覧が機能の総目次です。

爾雅 Erya │ キー操作ヘルプ
↑/↓ スクロール PageUp/PageDown ページ Home/End 先頭/末尾 F1/Esc 戻る
F1 キー操作ヘルプの表示/非表示 Up / Down / Left / Right カーソルを移動 Shift+Up/Down/Left/Right 選択範囲を広げる/狭める PageUp / PageDown 1 ページ上下へ Home / End 現在行の先頭/末尾へ Ctrl+Home / Ctrl+End 文書の先頭/末尾へ Ctrl+N 空のタブを作成 Ctrl+O 新しいタブでファイルを開く
キー操作ヘルプ │ 1-8 / 62
F1 は固定ヘルプキーです。カスタムキーマップでは変更できません
  • 左がキー、右が説明。↑↓、PageUpPageDown、HomeEnd でスクロールします。
  • ステータス行にいま何件目まで/全何件が出ます。
  • 最初の 10 件は変更できない固定キー(矢印、Enter、Backspace、Tab、Esc など)で、その後が設定可能な操作です。
  • ここに出るのは実際に使えるキーです。プロファイルを変えれば表示も変わります。
  • 既定でキーの無い操作(定型文、マクロ、矩形の移動など)はキー欄が空欄になり、「機能はあるが呼び出すキーがまだ無い」ことを示します(2.4.8 参照)。
F1 は必ず F1

他のすべての操作は割り当て直せますが、これだけはできません。意図的な非常口です。プロファイルをどれだけ変えても、全一覧を呼び出すキーが 1 つ残ります。

1.3.9

手引きでのキー表記

押しても反応しない、を防ぐための小さな約束です。

  1. 本書の Ctrl+S は「Erya Terminal Safe における保存キー」を指します。内蔵の既定プロファイルで、何も変えていなければこれです。
  2. プロファイルを変えた方は操作名で照合してください。各機能にはプログラム内で固定の操作名があり(保存なら save)、4.4 の表に両方載せています。設定ファイルに書くのもこの名前です(4.1.5 参照)。
  3. 最終的な答えは常に画面です。2 行目と F1 に出ているのが実際のキーです。手引きと違えば画面を信じてください。
なぜ既定は「ありがちな組み合わせ」を避けているのか

ターミナルがすべての組み合わせを届けてくれるとは限らないからです。macOS は Ctrl+ファンクションキーを予約し、Alt 組み合わせは特殊文字の入力に使われ、修飾付き矢印(Ctrl+← など)は多くのターミナルでそもそも届きません。既定プロファイルはこれらを避けているのでいちばん多くのターミナルで動き、代わりに一部の応用操作が未割り当てです。元の完全な組み合わせは Erya Classic として残っており、いつでも戻せます(4.1.1 参照)。